石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より
いたく錆びしピストル出でぬ
砂山の
砂を指もて掘りてありしに
<口語訳>
錆びついたピストルが出てきた。
砂山の
砂を指で掘っていると、そこにあったのだ。
<意訳>
海に一人で来た。
何をしに来たというのでもない。
砂山の砂を意味もなく、指で掘り続ける。
錆びついて赤茶けボロボロになったピストルが砂の中から出てきた。
ピストルは砂の中で錆びていく。
また、涙が流れる。
この一首を単独で読むと、意訳の後半二行はなくなる。歌集の前後の作品と併せて読むと、一連の情感が感じられる。
どちらの読み方をしても、この作品が好きだ。情景がわかる。作者の気持ちにも同化できる。ピストルは、本物で戦時中の遺物と想像した。
いたく錆びしピストル出でぬ
砂山の
砂を指もて掘りてありしに
<口語訳>
錆びついたピストルが出てきた。
砂山の
砂を指で掘っていると、そこにあったのだ。
<意訳>
海に一人で来た。
何をしに来たというのでもない。
砂山の砂を意味もなく、指で掘り続ける。
錆びついて赤茶けボロボロになったピストルが砂の中から出てきた。
ピストルは砂の中で錆びていく。
また、涙が流れる。
この一首を単独で読むと、意訳の後半二行はなくなる。歌集の前後の作品と併せて読むと、一連の情感が感じられる。
どちらの読み方をしても、この作品が好きだ。情景がわかる。作者の気持ちにも同化できる。ピストルは、本物で戦時中の遺物と想像した。