石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

我に似し友の二人よ
一人は死に
一人を牢を出でて今病む

<私が考えた歌の意味>
私と考えを同じくする友の二人よ。
一人は死に、一人は牢から出たが、今病の身だ。

<歌の感想>
私とは、考えも生き方も似たものをもつ友人が二人いた。
一人は若くして死んだ。
もう一人は罪に問われ刑を終えて戻ってきたが、今は病に倒れている。
私のような生き方をすれば、なぜ、このように不遇なのだろうか。

<歌の感想>
 友人への共感を詠んでいる作品は多くはない。死を悼む気持ちや、病を心配する表現がないだけに、かえって思いの痛切さを感じる。