石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと

<私が考えた歌の意味>
一度でも私に頭を下げさせた奴はみな死んでしまえ。
そんな思いをもっていたこともあった。

<私の想像を加えた歌の意味>
生活のために、自分の気持ちに反して頭を下げて回っている。
金を得るためでなければ、あんなくだらない奴に卑屈になることはなかった。
私に頭を下げさせた人はみんな死ねばいい。

そんなのろいを持っていたこともあった。
しかし、今はそんな気持ちさえも消え失せている。

<歌の感想>
 分かりやすそうで、難解だ。「いのりてしこと」を文法的に解析しても意味はない気がする。ただ、過去のことを表しているのは言えそうである。そして、この後に言葉が省略されていると感じた。
 啄木が威勢よく悪態をついているだけの作ではないと思う。