万葉集のかたわらにキーボード

記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

カテゴリ: 『一握の砂』石川啄木「煙」

石川啄木『一握の砂』「煙」 より神有りと言ひ張る友を説きふせしかの路(みち)ばたの栗の樹の下(もと)<私が考えた歌の意味>神は存在すると、友達は言い張る。私は友のその主張を覆した。友とそんな論争をしたのは、あの道端の栗の大樹の下だった。<歌の感想> 懐か…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より盛岡の中学校のバルコンの欄干(てすり)に最一度(もいちど)われを倚(よ)らしめ<私が考えた歌の意味>盛岡中学校のバルコニーを思い出す。あの手すりにもう一度よりかかって、周りを眺めてみたい。かなうものなら、私をあの場所にもど…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 よりストライキ思ひ出でても今は早や吾が血踊らずひそかにさびし<私が考えた歌の意味>ストライキのことを思い出しても、今はもうあの時のように興奮はしない。働く者たちの要求を闘い取ろうと、情熱を傾けた気持ちが消えてしまった。血が踊る…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より夏休み果ててそのまま帰り来ぬ若き英語の教師もありき<私の想像を加えた歌の意味>夏休みが終わったのに、学校に来ない英語の教師がいた。あの若い英語の教師は、夏休みが終わっても学校に戻る気がなくなったのだろう。あの教師が、教師と…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より今は亡き姉の恋人のおとうととなかよくせしも悲しと思ふ<私の想像を加えた歌の意味>今は亡き姉には恋人がいた。その恋人の弟と仲良くなり、共に楽しい時間を過ごした。姉が亡くなり、姉の恋人の弟とも疎遠になった。姉が生きていたころの…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より花散ればまづ人さきに白の服着て家出づるわれにてありしか<私が考えた歌の意味>桜の花が散る時期になれば、他の人より先に白い夏の服を着た。他の学生がまだ黒の厚い服の時に、白くて軽い服を着て、得意になって家を出た。学校に通ってい…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より学校の図書庫(としょぐら)の裏の秋の草黄なる花さきき今も名知らず<私が考えた歌の意味>学校の図書館の裏の草は秋になると黄色の花をつけていた。図書館の行き帰りに目にしたあの花を今でも思い出す。あの花の名はなんというのだろうか…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 よりその後(のち)に我を棄てし友もあのころは共に書(ふみ)読み共にあそびき<私が考えた歌の意味>後年、私との関係を絶ってしまった友人だった。だが、あのころは共に本を読み、語り合った。共に、あそびもした。今思い出すと懐かしい気が…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より城址(しろあと)の石に腰掛け禁制の木(こ)の実(み)をひとり味ひしこと<私が考えた歌の意味>採るのを禁止されている木の実を採ってやった。それを、城址の大きな石に腰かけて、ゆっくりと一人で味わった。故郷のよき思い出だ。<歌の…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 よりわれと共に小鳥に石を投げてあそぶ後尾大尉の子もありしかな<私の想像を加えた歌の意味>いろいろな友達と遊ぶことはなかった。一人で遊んでいる方が多かった。小鳥に向かって一人で石を投げて遊んでいた。そんな遊びに付き合ってくれる子…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 よりよく叱る師ありき髭(ひげ)の似たるより山羊(やぎ)と名づけて口真似もしき<私が考えた歌の意味>しょっちゅう叱る先生がいた。その先生の髭は山羊の髭みたいだったので、あだ名を「山羊」とつけた。その先生の口真似なんかもした。<歌…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より夜寝ても口ぶえ吹きぬ口ぶえは十五のわれの歌にしありけり<私の想像を加えた歌の意味>学校の成績は良かったのに、ある時から勉強に興味がなくなった。友達が夢中になっている遊びにも加わりたくなかった。あの頃、やっていて楽しかったの…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より晴れし空仰げばいつも口笛を吹きたくなりて吹きて遊びき<私が考えた歌の意味>晴れた空を見上げると、いつも口笛を吹きたくなる。口笛を吹きたくなると、どこでも口笛を吹いて遊んだものだ。<歌の感想> 晴れた空を仰ぎ見ると口笛を吹き…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 よりかなしみと言はば言ふべき物の味われの嘗めしは余りに早かり<私が考えた歌の意味>「かなしみ」と言えば言えるのであろう。その感情を、初めて持った時を覚えている。私が、「かなしみ」を感じたのは余りにも幼い時のことだった。<歌の感…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より不来方(こずかた)のお城のあとの草に臥(ね)て空に吸はれし十五の心<私が考えた歌の意味>過ぎてしまったあの頃のこと、お城あとの草に寝ころんでいた。空を見上げていると、その空に吸い込まれてしまった。私の十五歳の心が。<歌の感…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より教室の窓より遁(に)げてただ一人かの城跡に寝にゆきしかな<私の想像を加えた歌の意味>もう講義を受けているのが嫌になった。授業が退屈なのはいつものことだが。今日は我慢ができないほどだ。あの教師は追いかけて来はしまい。窓から外…
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石川啄木『一握の砂』「煙」 より師も友も知らで責めにき謎に似るわが学業のおこたりの因(もと)<私の想像を加えた歌の意味>先生も友達も私のことを責めた。なぜ、学業を怠けるようになったのかと。私自身にも、学業が嫌になった原因は謎であった。<歌の感想> 現代に…
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