万葉集のかたわらにキーボード

記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

カテゴリ: 『みだれ髪』与謝野晶子

与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 よりわかき小指胡粉(をゆびごふん)をとくにまどひあり夕ぐれ寒き木蓮の花<私が考えた歌の意味>小指で白の顔料をといている。さまざまにまどう心がわきあがる。目をあげれば、夕ぐれのなか木蓮の花が咲いている。白色をとく小指が若々…
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※以前の記事を改めた。なほ許すせ御国(みくに)遠くば夜(よ)の御神(みかみ)紅皿船(べにざらふね)に送りまゐらせむ<私の想像を加えた歌の意味>お許しください、夜の神様。この甘美な夜が長く続きますように。夜の神様が、お国に戻られると、夜明けが来てしまいます…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より美しき命を惜しと神のいひぬ願ひのそれは果たしてし今<私が考えた歌の意味>美しい命が惜しいと神がいった。願いが叶った今。命と引きかえにかなえてほしいと頼んだ願いが叶った今なのに。<私の想像を加えた歌の意味>命はいらない…
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<歌の感想>与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より今ここにかへりみすればわがなさけ闇(やみ)をおそれぬめしひに似たり<私の想像を加えた歌の意味>われに返ってみると、私はまるで盲目の人でした。あの人に恋い焦がれて、なにもみえなくなっていました。私の気持ちは…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より狂ひの子われに焔(ほのほ)の翅(はね)かろき百三十里あわただしの旅<私が考えた歌の意味>恋に夢中の私には、炎の羽があるのです。恋のために百三十里を軽い軽い羽で飛び越えます。一瞬にして、貴方のもとへ参ります。<私の想像を…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 よりなほ許すせ御国(みくに)遠くば夜(よ)の御神(みかみ)紅皿船(べにざらふね)に送りまゐらせむ<私が考えた歌の意味>お国から遠く離れていることを、なお許してください。私の夜の神様、まだお国に戻らないでください。お戻りの…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より御袖(みそで)くくりかへりますかの薄闇(うすやみ)の欄干(おばしま)夏の加茂川の神<私の想像を加えた歌の意味>今宵一緒に過ごしたいのに、あなたは、帰ってしまいます。そでをまくった姿で、薄闇の加茂川の橋を渡って行ってし…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より額(ぬか)ごしに暁(あけ)の月みる加茂川の浅水色(あさみづいろ)のみだれ藻染(もぞめ)よ<私が考えた歌の意味>上向いて、明け方の月を見る。目を移すと加茂川の川面は薄い水色。水面に藻が乱れて模様となり、その模様が薄い水…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より悔いますなおさへし袖に折れし剣(つるぎ)つひの理想(おもひ)の花に棘あらじ<私が考えた歌の意味>押さえた袖には折れた剣が入っていますね。剣が折れたことを後悔しないでください。最終の理想の花には、棘はありません。剣で戦…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より誰ぞ夕(ゆふべ)ひがし生駒(いこま)の山の上のまよひの雲にこの子うらなへ<私が考えた歌の意味>この子の将来を占ってくれる人、誰かいませんか。ひがし生駒の山が暮れていきます。夕空の山の上に、雲が乱れて動いていきます。雲…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より水に餓ゑて森をさまよふ子羊のそのまなざしに似たらずや君<私が考えた歌の意味>水に餓えて、森をさ迷っている子羊のそのまなざしに似ているのです。あなたを見る私のまなざしが。<歌の感想> 『みだれ髪』の短歌は、作者から「君…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より春の夜の闇(やみ)の中くるあまき風しばしかの子が髪に吹かざれ<私が考えた歌の意味>春の夜、あまい香りの風が吹いてくる。あの娘の髪にあまい香りを漂わせないで。あの娘には、春の夜の闇はまだ早いので。<歌の感想> チョコレ…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より旅のやど水に端居(はしゐ)の僧の君いみじと泣きぬ夏の夜の月<私の想像を加えた歌の意味>旅の宿、僧のあなたは、川面の見える縁側に座っておいでになる。せっかく、二人で旅に出たのに、僧のあなたは私を見ようともなさらない。私…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 よりくれなゐの薔薇(ばら)のかさねの唇に霊の香のなき歌のせますな<私が考えた歌の意味>唇は、紅の薔薇の花びらの重なり。この唇に、魂の香りのない歌を詠ませることはさせない。<私の想像を加えた歌の意味>紅の薔薇の花びらを重ね…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 よりみだれごこちまどひごこちぞ頻(しきり)なる百合ふむ神に乳(ちゝ)おほひあへず<私が考えた歌の意味>心は、乱れに乱れ、迷いに迷う。恋心なぞに惑うことのないあなた。あなたの前では乳房を覆うこともしません。<歌の感想> 作…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 よりゆあみする泉の底の小百合花(さゆりばな)二十(はたち)の夏をうつくしと見ぬ<私が考えた歌の意味>湯船に身を横たえます。湯に入った体は、泉の底に咲く小百合の花です。二十の夏を迎えた体は、美しいのです。<歌の感想> 裸体…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より春雨にゆふべの宮をまよひ出でし子羊君(きみ)をのろはしの我<私が考えた歌の意味>春雨の夕べ、子羊のように家を出て来ました。私を迷う子羊にしてしまうあなたのことが憎らしい。<歌の感想> 恋する自己に、陶酔している雰囲気…
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