万葉集のかたわらにキーボード

万葉集を中心に、古典から近代まで和歌、短歌を気の向くままに読んでいます。記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

カテゴリ: 『みだれ髪』与謝野晶子

与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より山ごもりかくてあれなのみをしへよ紅(べに)つくるころ桃の花さかむ<私が考えた歌の意味>山にこもって、教えを受ける今が続くといいのに。教えを説いてくださるお坊様、あなただけが私だけに説いてくださるといいのに。山を下りて…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より経はにがし春のゆふべを奥の院の二十五菩薩歌うけたまへ<私が考えた歌の意味>お経をあげるのは退屈です。春の夕べなのですから、私の歌を味わってください。奥の院にいらっしゃる二十五菩薩様。<私の想像を加えた歌の意味>お経を…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より秋の神の御衣(みけし)より曳く白き虹ものおもふ子の額に消えぬ<私が考えた歌の意味>秋の神の衣装が曳いている白い虹。その虹は物思う乙女の額に消えていく。<私の想像を加えた歌の意味>秋を司る神がやって来たようだ。秋の神の…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より清水(きよみず)へ祇園(ぎをん)をよぎる桜月夜(さくらづきよ)こよひ逢ふ人みなうつくしき<私が考えた歌の意味>清水へ向かって、祇園を通る宵の道を歩く。道すがら、桜が咲いている。夜の道だが、月に照らされて桜の花があでや…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より細きわがうなじにあまる御手(みて)のべてささへたまへな帰る夜の神<私の想像を加えた歌の意味>私を残して、帰っていくあなた。あなたの大きな手で私の細いうなじを支えていてほしいの。昨夜、一夜かぎりなんて、言わせないわ。<…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より今はゆかむさらばと云ひし夜の神の御裾(みすそ)さはりてわが髪ぬれぬ<私の想像を加えた歌の意味>「もう行くよ」、私をおいて部屋を出ていくあなた。あなたの服の裾が私の髪に触れる。止めても無駄と思えば、涙がこぼれる。<歌の…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より春の国恋の御国のあさぼらけしるきは髪か梅花(ばいくわ)のあぶら<私が考えた歌の意味>恋にふけった一夜が明ける。夕べの気配を残しつつ明けていく部屋に、はっきりわかるこの香りは、私の髪あぶらでしょう。…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より水に寝し嵯峨の大堰(おほい)のひと夜神(よがみ)絽蚊帳(ろがや)の裾の歌ひめたまへ<私の想像を加えた歌の意味>嵯峨大堰川の水辺の宿で、あなたと一夜かぎりの夜を過ごしました。あの夜、共に入った絽の蚊帳の中で交わした恋心…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より海棠(かいだう)にえうなくときし紅すてて夕雨(ゆふさめ)みやる瞳よたゆき<私が考えた歌の意味>あなたに逢えるという当てもないのに化粧をしようと思ったけど、やっぱりやめました。その化粧の紅を、海棠の花の下に捨てました。…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 よりまゐる酒に灯(ひ)あかき宵を歌たまへ女はらから牡丹に名なき <私が考えた歌の意味>集まって、酒をのみ、短歌を作る女たちがいる。夜の灯りの下、まだまだ無名の女流歌人たちではあるが、牡丹が咲き群れるように賑やかで華やか。…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より紺青(こんじやう)を絹にわが泣く春の暮れやまぶきがさね友歌ねびぬ<私が考えた歌の意味>紺青の装いで私は春の暮れの悲しみを詠む。友はやまぶきを重ねた装いで歌を詠む。友の歌はおとなびている。<私の想像を加えた歌の意味>暮…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より紫の濃き虹説きしさかづきに映る春の子眉毛かぼそき<私が考えた歌の意味>紫が濃い虹を見たとあなたは話す。そのあなたのさかずきに映る私の眉毛がか細い。<私の想像を加えた歌の意味>恋を語るあなたを見つめ、あなたのそばに寄る…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より臙脂色(えんじいろ)は誰にかたらむ血のゆらぎ春の思ひのさかりの命<私が考えた歌の意味>血が揺らぎ、青春の思いが高まり、命が燃え立ちます。このえんじ色に塗りこめられた私のことを誰に語りましょうか。<私の想像を加えた歌の…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より紫に もみうらにほふ みだれ筐を かくしわづらふ 宵の春の神<私が考えた歌の意味>衣装箱から着物の裏地の紫色が覗いています。今宵の春の神は、脱いだ着物の裏地を隠そうともしません。<私の想像を加えた歌の意味>衣装箱の片…
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より堂の鐘の ひくきゆふべを 前髪の 桃のつぼみに 経たまへ君<私が考えた歌の意味>お堂の鐘が低く聞こえる夕べ、恋しいあのお坊様が読経をなさるころでしょう。私のこの桃のつぼみのような前髪を見つめてお経をあげてください、恋…
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『みだれ髪』 臙脂紫その子二十歳櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな<口語訳>その娘は二十歳。櫛けずる黒髪は艶やかで、美しい。惜しげもなく、命の輝きを放っている。<意訳>私は今二十歳。人生の春、生命が輝いている。櫛けずる黒髪は、美しさにあふれる。…
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『みだれ髪』 臙脂紫椿それも梅もさなりき白かりきわが罪問はぬ色桃に見る<口語訳>椿の色も好きだけれど、梅の色も好きだけれど、なんとなくその白がしっくりこない。私の心の罪を責めない色は、桃の色だけ。<意訳>椿の白も、梅の白も、けがれがなくてわたしの心の罪を…
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