万葉集のかたわらにキーボード

記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

カテゴリ: 『一握の砂』石川啄木「我を愛する歌」

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より 以前の記事を改めた。大といふ字を百あまり砂に書き死ぬことをやめて帰り来れり<私の想像を加えた歌の意味>勤めを終えたが、すぐに家に帰る気になれない。また、向かう先は、人影のなくなった海辺。砂浜に腰を下ろす。ほの暗…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より ※以前の記事を改めた。  東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる<私が考えた歌の意味>東方の小島に来た。磯の砂浜の砂は白い。私の涙はとどまることがない。涙にくれながら磯の蟹とたわむれる。<私の想像を加…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりやとばかり桂首相に手をとられし夢みて覚めぬ秋の夜の二時<私の想像を加えた歌の意味>ヤアヤアと桂首相が私の手を取って迎えてくれた。そんな夢を見て、秋の夜の二時に目が覚めた。夢でしかないのだが、政治の中枢で活躍してみ…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より誰(た)そ我にピストルにても撃(う)てよかし伊藤のごとく死にて見せなむ<私が考えた歌の意味>誰か、私をピストルで撃てばよい。そうしたら、伊藤首相のように潔く死んでみせよう。<歌の感想> 潔く死んで見せよう、と作者…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より何事も金金とわらひすこし経(へ)てまたも俄(には)かに不平つのり来(く)<私の想像を加えた歌の意味>世の中は結局のところ、金が全てを回している。企業も政府も金を求めて動いている。そんなつまらない世の中や、社会を動…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より何事も思ふことなくいそがしく暮せし一日(ひとひ)を忘れじと思ふ<私の想像を加えた歌の意味>過去を思い出したり、他人が自分を見る眼を気にしたりすることがない一日だった。それほどすべきことを次々とやり、忙しかった。思…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりはても見えぬ真直(ますぐ)の街をあゆむごとこころを今日は持ちえたるかな<私の想像を加えた歌の意味>行きつく先が見えないほど真っ直ぐな街路が続いている。どんなに先が遠くとも、この真っ直ぐな道を歩いて行こうと決意した…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりくだらない小説を書きてよろこべる男憐れなり初秋の風<私が考えた歌の意味>くだらない小説なのに、本人は傑作が書けたと喜んでいる。その男が憐れだ。憐れさを増すかのごとく初秋の風が吹く。<歌の感想> 啄木は、くだらない…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりわが抱(いだ)く思想はすべて金なきに因(いん)するごとし秋の風吹く<私が考えた歌の意味>私がもつ思想は、すべて私に金がないことが出発点になっているようだ。そう思い至った時、秋風の吹くのを感じた。<歌の感想> この…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より男とうまれ男と交わり負けてをりかるがゆゑにや秋が身に沁む<私が考えた歌の意味>男子と生まれて、男子の中で生きてきた。男としての戦いに負けている。男子らしく強く生きられぬゆえか、秋がわが身に沁みる。…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より女(をんな)ありわがいひつけに背(そむ)かじと心を砕く見ればかなしも<私が考えた歌の意味>女がいる。私の言いつけに背かないようにしようと、いつも心を砕く女がいる。そういう様子を見ると、かなしくなる。<私の想像を加…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりいらだてる心よ汝(なれ)はかなしかりいざいざすこし欠伸(あくび)などせむ<私が考えた歌の意味>いらだった心よ、おまえはかなしいよ。いざいざ、すこしあくびなどしてみよう。<私の想像を加えた歌の意味>いらだちが抑えら…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より顔あかめ怒りしことがあくる日はさほどにもなきをさびしがるかな<私の想像を加えた歌の意味>顔を真っ赤にして怒ったことが、次の日になると、それほどのことではなかったと思える。怒りが中途半端に消えてしまった。怒りが治ま…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より庭石にはたと時計をなげうてる昔のわれの怒りいとしも<私の想像を加えた歌の意味>怒りにまかせて時計を庭石に、はたと投げつけた。昔の私は純粋な怒りを抑えることができなかった。今の私はどうだろう。怒りのあまり時計を庭石…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より放たれし女のごときかなしみをよわき男もこの日今知る<私の想像を加えた歌の意味>稼ぐ手立ても助けてくれる人もいない女が家から出された。そんな女のかなしみを、よわい男も感じている。この日の今、私は、心細く頼りないかな…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より盗むてふことさへ悪(あ)しと思ひえぬ心はかなしかくれ家もなし<私の想像を加えた歌の意味>人の物を盗むことはどんな場合も悪いことだと信じてきた。それなのに、盗みをはたらくことさえも悪いことだと自信をもって思えなくな…
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