万葉集のかたわらにキーボード

万葉集を中心に、古典から近代まで和歌、短歌を気の向くままに読んでいます。記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

カテゴリ: 『一握の砂』石川啄木 

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より気抜けして廊下に立ちぬあららかに扉(ドア)を推(お)せしにすぐ開きしかば<私の想像を加えた歌の意味>そのドアは簡単には開かないだろうと思い、力を込めて押した。なんということもなく、スッと開いた。勢い込んでいた気持…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりかうしては居(を)られずと思ひ立ちにしが戸外(おもて)に馬の嘶(いなな)きしまで<私の想像を加えた歌の意味>このままではいけないと思った。とにかく何かをしなければと、立ち上がった。立ち上がったはいいが、何をすべき…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりある日のこと室(へや)の障子をはりかへぬその日はそれにて心なごみき<私が考えた歌の意味>ある日のことだった。部屋の障子を張り替えた。その日は、それだけで心がなごんだ。<私の想像を加えた歌の意味>思い立って部屋の障…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりたんたらたらたんたらたらと雨滴(あまだれ)が痛むあたまにひびくかなしさ<私の想像を加えた歌の意味>雨がしとしとと降り続く。頭痛が止まない。不規則に落ちる雨垂れの音が嫌だ。とぎれそうでとぎれない。雨だれが、頭痛を増…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より或る時のわれのこころを焼きたての麺麭(ぱん)に似たりと思ひけるかな<私の想像を加えた歌の意味>焼きたてのパンの香ばしい香りがする。焼きたてのパンの手触りはふっくらとしている。ある朝の私の心は、焼きたてのパンのよう…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりこの次の休日(やすみ)に一日(いちにち)寝てみむと思ひすごしぬ三年(みとせ)このかた<私の想像を加えた歌の意味>この次の休日には、何もしないで、どこへも行かないで一日中寝ていよう。三年前からそう思っていた。休日が…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より邦人(くにびと)の顔たへがたく卑しげに目にうつる日なり家(いへ)にこもらむ<私が考えた歌の意味>日本人の顔が耐え難いほど卑しく見える日だ。こういう日は家にこもっていよう。<歌の感想> よくわからない短歌だ。「邦人…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より一隊の兵を見送りてかなしかり何(なに)ぞ彼等のうれひ無げなる<私が考えた歌の意味>隊列を組んで歩く兵隊とすれ違い、見送った。かなしいことだ。どうして、彼らはあんなに憂いのない様子でいられるのだろう。<歌の感想> …
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より死にたくてならぬ時ありはばかりに人目を避けて怖(こは)き顔する<私の想像を加えた歌の意味>絶望することがあったわけではなかった。いつもと変わらず周りは嫌な人ばかりだ。相変わらず暮らしは貧しい。死にたくてならない時…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より垢じみし袷(あはせ)の襟よかなしくもふるさとの胡桃(くるみ)焼くるにほひす<私が考えた歌の意味>垢に汚れた袷の襟の匂いが、故郷でくるみを焼いた匂いと重なった。汚れた袷の匂いから、ふるさとを思い出すなんて、かなしい…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より遠方(をちかた)に電話の鈴(りん)の鳴るごとく今日(けふ)も耳鳴るかなしき日かな<私が考えた歌の意味>どこか遠くで、電話のベルが鳴っているような音の耳鳴りがする。そんな耳鳴りのする日はかなしい日だ。<歌の感想> …
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりかなしくも頭のなかに崖ありて日毎に土のくづるるごとし<私が考えた歌の意味>かなしいことに、頭の中に崖があり、一日毎にその崖の土が崩れていくような気がする。<私の想像を加えた歌の意味>もろい地盤の崖がある。崖の土は…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりこつこつと空地(あきち)に石をきざむ音耳につき来(き)ぬ家に入るまで<私が考えた歌の意味>空き地で石をきざんでいる音がしている。コツコツと、その音が耳につく。家の中に入るまで、その音が耳についてくる。<歌の感想>…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より大いなる水晶の玉をひとつ欲(ほ)しそれにむかひて物を思はむ<私が考えた歌の意味>大きな水晶の玉をひとつ欲しい。それに向かって考え事をしたいと思う。<私の想像を加えた歌の意味>大きな水晶の玉が一つ欲しい。水晶の玉は…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より事もなく且つこころよく肥えてゆくわがこのごろの物足らぬかな<私が考えた歌の意味>何事もなく、平穏な日が続いている。平穏なだけでなく、体の調子もよく、気持ちも穏やかで肥えてきた。このような日々に物足りなささえ感じる…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より水晶の玉をよろこびもてあそぶわがこの心何(なに)の心ぞ<私が考えた歌の意味>水晶の玉を手に入れた。この玉の美しさにうれしくなり、折にふれもてあそぶ。このような物に心を奪われるなんて、わが心はどうなったのか。<私の…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりとある日に酒をのみたくてならぬごとく今日われ切(せち)に金(かね)を欲(ほ)りせり<私が考えた歌の意味>ある日、酒を飲みたくてたまらなくなったことがある。その日と同じように、今日の私は金が欲しくてたまらない。<私…
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