万葉集のかたわらにキーボード

万葉集を中心に、古典から近代まで和歌、短歌を気の向くままに読んでいます。記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

カテゴリ: 『一握の砂』石川啄木 

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より垢じみし袷(あはせ)の襟よかなしくもふるさとの胡桃(くるみ)焼くるにほひす<私が考えた歌の意味>垢に汚れた袷の襟の匂いが、故郷でくるみを焼いた匂いと重なった。汚れた袷の匂いから、ふるさとを思い出すなんて、かなしい…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より遠方(をちかた)に電話の鈴(りん)の鳴るごとく今日(けふ)も耳鳴るかなしき日かな<私が考えた歌の意味>どこか遠くで、電話のベルが鳴っているような音の耳鳴りがする。そんな耳鳴りのする日はかなしい日だ。<歌の感想> …
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりかなしくも頭のなかに崖ありて日毎に土のくづるるごとし<私が考えた歌の意味>かなしいことに、頭の中に崖があり、一日毎にその崖の土が崩れていくような気がする。<私の想像を加えた歌の意味>もろい地盤の崖がある。崖の土は…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりこつこつと空地(あきち)に石をきざむ音耳につき来(き)ぬ家に入るまで<私が考えた歌の意味>空き地で石をきざんでいる音がしている。コツコツと、その音が耳につく。家の中に入るまで、その音が耳についてくる。<歌の感想>…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より大いなる水晶の玉をひとつ欲(ほ)しそれにむかひて物を思はむ<私が考えた歌の意味>大きな水晶の玉をひとつ欲しい。それに向かって考え事をしたいと思う。<私の想像を加えた歌の意味>大きな水晶の玉が一つ欲しい。水晶の玉は…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より事もなく且つこころよく肥えてゆくわがこのごろの物足らぬかな<私が考えた歌の意味>何事もなく、平穏な日が続いている。平穏なだけでなく、体の調子もよく、気持ちも穏やかで肥えてきた。このような日々に物足りなささえ感じる…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より水晶の玉をよろこびもてあそぶわがこの心何(なに)の心ぞ<私が考えた歌の意味>水晶の玉を手に入れた。この玉の美しさにうれしくなり、折にふれもてあそぶ。このような物に心を奪われるなんて、わが心はどうなったのか。<私の…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりとある日に酒をのみたくてならぬごとく今日われ切(せち)に金(かね)を欲(ほ)りせり<私が考えた歌の意味>ある日、酒を飲みたくてたまらなくなったことがある。その日と同じように、今日の私は金が欲しくてたまらない。<私…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より何もかも行末の事みゆるごときこのかなしみは拭ひあへずも<私が考えた歌の意味>何もかも将来の事が見えてしまう気がする。先の事がわかってしまうかなしみは、拭っても拭っても拭いきれない。<私の想像を加えた歌の意味>私の…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりはたらけどはたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざりぢつと手を見る<私が考えた歌の意味>はたらいたけれど。はたらいたけれど前と変わらず、わたしの生活は楽にならない。じっと自分の手を見る。<私の想像を加えた…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より誰が(たれ)見てもとりどころなき男来て威張りて帰りぬかなしくもあるか<私の想像を加えた歌の意味>誰が見ても、あの男に良いところを見つけるのは難しい。その男が親し気に、私の所へやって来た。そして、聞きたくもないこと…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より人並(ひとなみ)の才に過ぎざるわが友の深き不平もあはれなるかな<私の想像を加えた歌の意味>才能がないわけでもないが、人並みの才能をもつ友人がいる。その友人だが、自分の才能を世間が認めないことへの不平は人並み以上な…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりどんよりとくもれる空を見てゐしに人を殺したくなりにけるかな<私が考えた歌の意味>どんよりと曇った空を見ていた。そのときにわきあがってきた。人を殺したいという思いが。<私の想像を加えた歌の意味>昼なのに暗い空だった…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より打ち明けて語りて何か損をせしごとく思ひて友とわかれぬ<私の想像を加えた歌の意味>私の事情も全て打ち明けて、友と語り合った。あの男も私と同じ境遇、同じ不満を持っていると思っていた。だが、何かが違う。あいつは、俺のこ…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりあまりある才を抱きて妻のためおもひわづらふ友をかなしむ<私の想像を加えた歌の意味>豊かな才能を持っているのに、世の中に認められない友がいる。せっかくの才能を生かせず、生活のため、妻を養うためにいつも苦労している。…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より我に似し友の二人よ一人は死に一人を牢を出でて今病む<私が考えた歌の意味>私と考えを同じくする友の二人よ。一人は死に、一人は牢から出たが、今病の身だ。<歌の感想>私とは、考えも生き方も似たものをもつ友人が二人いた。…
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より一度でも我に頭を下げさせし人みな死ねといのりてしこと<私が考えた歌の意味>一度でも私に頭を下げさせた奴はみな死んでしまえ。そんな思いをもっていたこともあった。<私の想像を加えた歌の意味>生活のために、自分の気持ち…
>>続きを読む