万葉集のかたわらにキーボード

記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

カテゴリ: 『一握の砂』石川啄木 

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より人みなが家を持つてふかなしみよ墓に入(い)るごとくかへりて眠る<私の想像を加えた歌の意味>この社会では、人はみな家を持ち家を守って暮らすことになっている。皆が家を持っていることは悲しい。毎日、墓に入るかのごとくに…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より夜明けまであそびてくらす場所が欲し家をおもへばこころ冷たし<私の想像を加えた歌の意味>明日のことなど考えずに、一晩中遊んでいられる場所が欲しい。帰らねばならない家のこと、養わねばならない家族のことを思わないでいら…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より人ありて電車のなかに唾を吐くそれにも心いたまむとしき<私が考えた歌の意味>電車の中で唾を吐く人がいる。そんなことが気になり、苦痛にさえなりそうになった。<私の想像を加えた歌の意味>ある人が電車の中で唾を吐く。ああ…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ<私が考えた歌の意味>友達がみんな、私よりもえらく見える日がある。そんな日は花を買って家に帰る。その花を妻と眺め睦まじく過ごす。<私の想像を加えた歌の意味>…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりあたらしき心もとめて名も知らぬ街など今日(けふ)もさまよひて来ぬ<私が考えた歌の意味>名前も知らない、行ったこともない街を、今日もさまよって来た。今までの自分とは違う新しい心を持ちたいと願って。<歌の感想> 啄木…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より人間の使はぬ言葉ひょつとしてわれのみ知れるごくと思ふ日<私が考えた歌の意味>この世には、人間の使わない言葉がある。動植物や、月や雲、天地の万物が語り合うような言葉が。ある日ふっと思い付いた。ひょっとすると、私は人…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりいつも睨(にら)むランプに飽きて三日(みか)ばかり蠟燭の火にしたしめるかな<私が考えた歌の意味>いつも見つめているランプの明るさに飽きてきた。三日ばかり違う明かりを灯してみた。ランプの明るさはないが、久しぶりに使…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりうすみどり飲めば身体(からだ)が水のごとき透きとほるてふ薬はなきか <私の想像を加えた歌の意味>死ぬことも、消えてしまうことも、容易ではない。だが、今のまま生き続けること、存在し続けることはしたくない。生きなけれ…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より誰が見てもわれをなつかしくなるごとき長き手紙を書きたき夕(ゆふべ)<私が考えた歌の意味>日が暮れてきた。故郷へ長い手紙を書きたいような気持だ。その手紙を読む人は皆、私のことをなつかしく思い出す。そんな手紙を書きた…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりぢつとして黒はた赤のインク吸ひ堅くかわける海綿を見る<私が考えた歌の意味>机の上の海綿を見ている。海綿はじっとして、黒か赤のインクを吸ってきた。インクを吸ってはいたが、今は乾いて堅くなっている。動くに動けず、黒で…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より気抜けして廊下に立ちぬあららかに扉(ドア)を推(お)せしにすぐ開きしかば<私の想像を加えた歌の意味>そのドアは簡単には開かないだろうと思い、力を込めて押した。なんということもなく、スッと開いた。勢い込んでいた気持…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりかうしては居(を)られずと思ひ立ちにしが戸外(おもて)に馬の嘶(いなな)きしまで<私の想像を加えた歌の意味>このままではいけないと思った。とにかく何かをしなければと、立ち上がった。立ち上がったはいいが、何をすべき…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりある日のこと室(へや)の障子をはりかへぬその日はそれにて心なごみき<私が考えた歌の意味>ある日のことだった。部屋の障子を張り替えた。その日は、それだけで心がなごんだ。<私の想像を加えた歌の意味>思い立って部屋の障…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりたんたらたらたんたらたらと雨滴(あまだれ)が痛むあたまにひびくかなしさ<私の想像を加えた歌の意味>雨がしとしとと降り続く。頭痛が止まない。不規則に落ちる雨垂れの音が嫌だ。とぎれそうでとぎれない。雨だれが、頭痛を増…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より或る時のわれのこころを焼きたての麺麭(ぱん)に似たりと思ひけるかな<私の想像を加えた歌の意味>焼きたてのパンの香ばしい香りがする。焼きたてのパンの手触りはふっくらとしている。ある朝の私の心は、焼きたてのパンのよう…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりこの次の休日(やすみ)に一日(いちにち)寝てみむと思ひすごしぬ三年(みとせ)このかた<私の想像を加えた歌の意味>この次の休日には、何もしないで、どこへも行かないで一日中寝ていよう。三年前からそう思っていた。休日が…
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