『みだれ髪』 臙脂紫

その子二十歳櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな

<口語訳>
その娘は二十歳。
櫛けずる黒髪は艶やかで、美しい。
惜しげもなく、命の輝きを放っている。

<意訳>
私は今二十歳。
人生の春、生命が輝いている。
櫛けずる黒髪は、美しさにあふれる。

 「その子」は、自分ではないであろう。しかし、他者であっても自己の二十歳の時と重ねていると感じて、意訳では作者自身のこととして訳した。