『みだれ髪』 臙脂紫

椿それも梅もさなりき白かりきわが罪問はぬ色桃に見る

<口語訳>
椿の色も好きだけれど、梅の色も好きだけれど、なんとなくその白がしっくりこない。
私の心の罪を責めない色は、桃の色だけ。

<意訳>
椿の白も、梅の白も、けがれがなくてわたしの心の罪を責めているようだ。
私の恋する心、私の罪な心を許してくれるのは桃の色だけ。

 桃色というよりもピンクというと、なんとなくいろいろなイメージがついて回る。いったい、どの時代ころから桃色に男女間のことを指す意味が加わったのか。
 そして、桃色こそ自分を責めないと短歌で表現する晶子は特別な個性だ。