『みだれ髪』 臙脂紫

歌にきけな誰れ野の花に紅き否むおもむきあるかな春罪もつ子

<口語訳>
歌の世界に尋ねてみましょう。野の花に紅い花はいやだという人がいるのかを。
それは人生の春に罪なことに心を動かす娘をいやだというのと同じではありませんか。

<意訳>
詩の中で、野に紅い花はいらない白や薄紫があればよいと書かれたものがあるでしょうか。
そんなおとなしい色だけではがまんができません。
罪とされることをしているという気持ちはありますが、若い私のこの気持ちを抑えることなどできないのとおなじように。

 「罪もつ」とは、当時の社会では罪とされていた相手のある人に恋することと感じた。