石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

こころよく
我にはたらく仕事あれ
それを仕遂げて死なむと思ふ

<口語訳>
こころよく
働く仕事が私にあってほしい
その仕事を成し遂げてから死にたいと思う

<意訳>
職に就いて稼げと皆が言う。
私も仕事を見つけて、命をかけてその仕事をやり遂げたい。
だが、思う存分に打ち込んでやれるような職業がどこにあるというのか。
食うためにいやいや働くような仕事しかないではないか。

 愚痴や言い訳ではない。やり遂げたい仕事、働くことを心から喜べるような職業、そのような働き方がなくなっていることを描いていると思う。