石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

※前回の記事に書き加えた。

何処(いづく)やらかすかに虫のなくごとき
こころ細さを
今日もおぼゆる


<口語訳>
どこかでかすかに虫の泣くような
心細さを
今日も感じる

<意訳>
わけもなく不安につつまれる。
どこかでかすかに虫が鳴いているように心の隅に心細さが存在し続ける。
今日もまたなんの理由もなく、いつもの心細さにつつまれる。

 フッと心細くなる。理由のない不安を時折感じる。そういう感覚ではない。
 いつもどこかで小さく聞こえ続ける執拗な不安感を描いている。


※石川啄木の短歌に口語訳というのも変であるが、啄木の短歌が文語で書かれているのは間違いない。そこで、まずは口語に訳してみた。それを<口語訳>として書いた。次に、短歌から受け取ったことを<意訳>として書いてみた。