山家集 西行 19 6999

春日野は 年のうちには 雪つみて 春は若菜の 生ふるなりけり

冬の間は雪景色の野原だ。
その原が、春になると一面に若菜が生え、若菜摘みに皆が集まる。
春日野は、冬から春への変化をはっきりと見せてくれる所だ。


 春を迎える前の雪景色。雪の下で春へ向けて動く自然の営み。春になった春日野の景色。春を迎えて行われる若菜摘みの賑わい。
 たくさんの要素が、一首の中に込められている。短くて、美しいリズムの中で、これら多くのことを味わうことができる。
 作者はいったいどこで何を見ているのだろうか。和歌を作ったのは年のうちなのか春なのか。こういう詮索は意味がないようにさえ思える。