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去年見てし 秋の月夜は 照らせれど 相見し妹は いや年離る
こぞみてし あきのつくよは てらせれど あいみしいもは いやとしさかる


今夜は月が美しい。
去年の秋の夜は妻といっしょに月を眺めていた。
月は変わりなく夜空を照らしている。それなのに、いっしょに見た妻はこの世にいない。
時が経てば経つほど、妻と共に過ごした日々が遠いものになっていく。