木綿畳手に取り持ちてかくだにもわれは祈ひなむ君に逢はじかも
大伴坂上郎女

ゆうだたみ てにとりもちて かくだにも われはこいなん きみにあわじかも
おおとものさかのうえのいらつめ


気持ちを集中させてこんなにも一心不乱にお祈りをしています。
天候の順調を願い、作物の豊作を願い、一族の繁栄を願い、あらゆることがうまくいくように全身全霊で祈りました。
でも、そんなにすべてがうまくいくものでしょうか。
だいたい、私にふさわしい男性が現れてほしいという、私一人の願いさえ叶いそうもありませんから。

※私の勝手な受け取り方です。しばらく、万葉集で最も多くの歌を残している女性である大伴坂上郎女の作品を読んでみます。