与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より

人にそひて樒(しきみ)ささぐるこもり妻母なる君を御墓(みはか)に泣きぬ

<私が考えた歌の意味>

わたしはまだあなたの妻とは呼んでもらえない。
その私が人に紛れるように樒をささげる。
あなたを生んだ人のお墓の前で、娘とはいえない私が泣いている。


<私の想像を加えた歌の意味>
あなたのお母さんが亡くなった。
許されていれば、私の義理の母でもあるあなたのお母さんが。
墓参りをするが、あなたの妻としてお墓にお線香を上げることはできない。
人に隠れるようにお線香を上げる。
あなたの妻と認められていれば、娘としてお墓にお参りできたのに。
母とは呼べぬ母を思い、ひそかに涙を流す。
 

<感想>
「まだ母と呼べない人の墓参り君を生みし人に樒ささげる」 チョコレート語訳みだれ髪 俵万智

 訳を読まなければ、意味が理解できなかった。この意味がふさわしいなら、晶子の歌の意味をとるのはやはりむずかしい。それと同時に、複雑な関係を一首に詠み込む才能に驚く。

 訳を読まなければ、意味が理解できなかった。この意味がふさわしいなら、晶子の歌の意味をとるのはやはりむずかしい。それと同時に、複雑な関係を一首に詠み込む才能に驚く。