与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より

ひと枝の野の梅をらば足りぬべしこれかりそめのかりそめの別れ

<私が考えた歌の意味>
野の梅のひと枝を折るほどのことです。
この別れは、ほんの少しの間のこと。
この別れは、かりそめの別れ。

<私の想像を加えた歌の意味>
梅の枝を一本折ります。
すぐに折れます。
あっけなく折れてしまいます。
ここで、あなたと別れます。
でも、また、あなたに恋するかもしれないし、別の恋が芽生えるかもしれません。
咲いた梅の枝を一本折っても、他の枝には次々に花が咲きます。
今の別離など、かりそめのまたさらにかりそめのこと。