石川啄木『一握の砂』「煙」 より

田も畑も売りて酒のみ
ほろびゆくふるさと人に
心寄する日


<私が考えた歌の意味>
自分の田んぼも畑も売り払い、酒で身を滅ぼした人がいた。
故郷のそんな人のことを、なぜか考えてしまう日がある。

<私の想像を加えた歌の意味>
先祖代々受け継いできた田畑を、一時の現金が欲しいために売ってしまった何人かが、故郷にいた。
そういう何人かは、酒で身を亡ぼすのが定石だった。
大切な田畑を酒に費やしてしまったと、故郷でも愚か者扱いされる人たちだ。
だが、過酷な農民の暮らしを知っているだけに、そういう人を一概に非難できない。
あの身を滅ぼした人たちも、私の故郷の人の何人かなのだ。
あの身を滅ぼした人たちも、故郷の親しかった人たちなのだ。