柿本朝臣人麻呂羇旅の歌八首 巻三 249~256  249 250 251 252 253 254 255 256

 柿本人麻呂は、旅先の地の特徴をそれぞれ題材として挙げている。
 そこには、各地の景観が、旅の移動に伴う動きとともに描かれている。また、作者が、旅の途中のそれぞれの地方への到着を楽しみにしている気持ちが表れている。
 一方で、251・252・254では、旅の途中途中で、都、大和を恋しく思う気持ちが表れてくる。そして、255では、「柿本朝臣人麻呂羇旅の歌八首」の中で、最も強く作者の気持ちを感じる。それは、故郷大和へ早く戻りたいという思いだ。
 八首を通して読むと、都とは違う辺鄙な旅先の地へ向かいながら、いつも心にあるのは都のことであった人麻呂の心情が感じられる。
 ※249は一部分解読不能。
 ※一連の短歌から時間的経過と旅程を想定することはできないとされている。