万葉集 巻三 202

荒たへの 藤江の浦に すずき釣る 海人とか見らむ 旅行くわれを
あらたえの ふじえのうらに すずきつる あまとかみらん たびゆくわれを

<私の想像を加えた歌の意味>
苦労を重ねて、ここまで海路を旅して来た。
都からは遠く離れた藤江の入江が見える。
だが、この旅の苦労と都を恋しく思う気持ちは、傍からはわからないだろう。
この私のことを、この地の人々は、すずきを釣る漁師と見ているかもしれない。