石川啄木『一握の砂』「煙」 より

このごろは
母も時時ふるさとのことを言ひ出づ
秋に入れるなり

<私の想像を加えた歌の意味>
母がこのごろ時々故郷のことを話題にする。
私と母は故郷のことを話すことがほとんどない。
母は、私の前で、故郷のあれこれを話すのをためらっているのだ。
そんな母が、我慢できなくなったように故郷のことを話題にする。
秋という季節が、母の望郷の想いを強くしているのだ。