石川啄木『一握の砂』「煙」 より

二日前に山の絵見しが
今朝になりて
にはかに恋しふるさとの山

<私が考えた歌の意味>
二日前に山の絵を見た。
その絵を見た時はそんなことは思わなかった。
今朝になって、急に恋しくなった、ふるさとの山を。

<私の想像を加えた歌の意味>
故郷の山を見たい。
今朝、急にそう思う。
故郷にいるときはなんのへんてつもない山として見ていたのに。
どうして急に故郷の山が見たくなったのだろう。
そうか、二日前に山の絵を見ていた。
もちろん、その絵は私の故郷の山を描いたものではない。
私にとって、山とは、すべて故郷の山が元になっているのだろう。