万葉集 巻三 250 柿本朝臣人麻呂の旅の歌八首(249~256)

玉藻刈る 敏馬を過ぎて 夏草の 野島の崎に 舟近付きね
たまもかる みぬめをすぎて なつくさの のしまのさきに ふねちかづきぬ

<私が考えた歌の意味>
敏馬の海岸では海人たちが海藻を採集している。
その敏馬を過ぎて舟は進む。
夏草が茂っている野島の崎が見えてきた。
その野島の崎に舟が近づいていた。

<私の想像を加えた歌の意味>
舟は、敏馬の辺りに差しかかった。
ここ、敏馬は、立派な海藻が採れる海岸と聞いているが、聞いていた通り豊かな海に見える。
海は穏やかで、舟は順調に進む。
岬が見えてきた。
夏草で青々とした岬だ。
あれは、野島の崎にちがいない。
舟は、もう野島の崎に近づいた。