石川啄木『一握の砂』「煙」 より

亡(な)くなれる師がその昔
たまひたる
地理の本など取りいでて見る

<私の想像を加えた歌の意味>
昔、先生から地理の本をいただいたことがあった。
その本を私にくださった先生は、すでに亡くなっている。
その地理の本を使うことは、今はない。
だが、その古くなった地理の本を今でも本棚に並べてある。
必要があって読もうというのではないが、時々その本を取り出すことがある。
そこからは、故郷の学生時代のこと、懐かしい先生のことが浮かび上がって来るから。