石川啄木『一握の砂』「煙」 より

わが妻のむかしの願ひ
音楽のことにかかりき
今はうたはず

<私が考えた歌の意味>
私の妻は、若い頃は音楽が好きで、将来は音楽にかかわることをしたいと願っていた。
それなのに、今は、歌さえ歌うことがない。
妻の夢は、叶わなかった。

<歌の感想>
 妻のことを題材にしているが、夢を諦めた妻自身の心情を表現しているのではないと思う。自分の妻を題材としながら、若い頃の希望を実現できない現実と、その現実に圧し潰される庶民の悲しみを感じる。
 これは、「煙」全体を通して感じることのできるテーマだ。