万葉集 巻二 233 或る本の歌に言う(233~234)

高円の 野辺の秋萩 な散りそね 君が形見に みつつ偲はむ
たかまとの のべのあきはぎ なちりそね きみがかたみに みつつしぬわん

<私の想像を加えた歌の意味>
高円の野辺に萩が咲く頃となった。
亡くなった親王は、この萩の花を好まれ、秋になるのを楽しみにされていた。
ちょうど今頃の時期、去年までは、親王とお仕えする者たちで、萩の花を見ながら宴会をしたものだ。
それももう叶わない。
せめて、もう少しの間、萩よ、散らないでくれ。
萩の花を見ながら、親王の思い出に浸っていたいから。