万葉集 巻二 232 霊亀元年(715)秋九月に、志貴親王が亡くなった時に作った歌一首と短歌(230~232)

三笠山 野辺行く道は こきだくも しげく荒れたるか 久にあらなくに
みかさやま のべいくみちは こきだくも しげくあれたるか ひさにあらなくに

<私が考えた歌の意味>
三笠の山に行く道は、こんなにも草が茂り、荒れてしまったのか。
亡くなった方の御所へと続く道だったのに、もう荒れてしまった。
親王が亡くなられて、まだそれほど時が経っていないのに。

<歌の感想>
 231、232共に、挽歌としての発想は、類型的と感じる。短歌として整っているが、亡き親王を思い起こす景色に特徴が感じられない。