石川啄木『一握の砂』「煙」 より

わがこころ
けふもひそかに泣かむとす
友みな己(おの)が道をあゆめり

<私の想像を加えた歌の意味>
かなしさに浸り、時を過ごす。
ひそかに、独りで、自分の心を見つめる。
私の心は、今日も泣こうとしている。
友はみんなそれぞれの道を歩んで行った。
私だけが、心の底のかなしみを見つめている。

<歌の感想>
 啄木の「泣かむとす」は、自己の文学創作につながる表現だと感じる。学校での学業に打ち込めなくなり、文学へと歩み出そうとしている時期を描いていると感じる。そして、この時期は、友人皆と自分を比べ、コンプレックスと呼べそうな感情を持っていると思う。