万葉集 巻二 216 或る本の歌に言う (213~216)※以前の記事を改めた。

家に来て 我が屋を見れば 玉床の 外に向きけり 妹が木枕
いえにきて わがやをみれば たまどこの よそにむきけり いもがこまくら

<私が考えた歌の意味>
なきがらを葬って家に戻った。
家の中を見渡してもただひっそりしている。
見慣れた妻の枕がいつもと違う方を向いて、残されている。

<歌の感想>
 以前の記事に書いた歌の意味のままでよいと思う。ただ、212と216の短歌を、現代に引きつけて味わうのはよくないと感じる。「妹が木枕」は、近現代で感じる「亡き妻の枕」とは違う感覚を含むのであろう。この世を離れた人の肉体と魂を、万葉人がどうとらえていたかはわからないが、妻の身の周りの物がそのままなのに、妻の存在が薄れていくことを人麻呂は表現しているということを感じる。