石川啄木『一握の砂』「煙」 より

夏休み果ててそのまま
帰り来ぬ
若き英語の教師もありき

<私の想像を加えた歌の意味>
夏休みが終わったのに、学校に来ない英語の教師がいた。
あの若い英語の教師は、夏休みが終わっても学校に戻る気がなくなったのだろう。
あの教師が、教師という職を棄てた気持ちが、今の私には分かる気がする。

<歌の感想>
 啄木には、学校と教師に、よい思い出が少ないようだ。その中で、いわば職場放棄した若い英語の教師のことは、強く印象に残ることだった。そこには、この若い教師に対する共感があったように感じられる。