万葉集 巻二 200 高市皇子尊(たけちのみこのみこと)の城上(きのえ)の殯宮(ひんきゅう)の時に、柿本朝臣人麻呂が作った歌一首と短歌(199~201)

ひさかたの 天知らしぬる 君故に 日月も知らず 恋い渡るかも
ひさかたの あめしらしぬる きみゆえに ひつきもしらず こいわたるかも

<私の想像を加えた歌の意味>
我が皇子は天にお昇りになられた。
生きておられた時は、そのお姿、お振舞い、すべてが御立派であった。
天にお昇りになられて、ますます我が君を尊敬申し上げる気持ちが高まります。
月日がどんなに過ぎ行こうと、変わることなく我が君をお慕い続けます。

<歌の感想>
 常套的な表現のようでいて、「日月も知らず」には人麻呂独特の未来への時間の意識を感じる。
 人麻呂がこのように詠んだことによって、高市皇子は、現代でもその姿を生き生きと浮かび上がらせる。
 今を生きる私が、万葉の皇子の偉業を偲ぶことができるのは、『万葉集』、そして、柿本人麻呂の歌があるからだと思う。