石川啄木『一握の砂』「煙」 より

その後(のち)に我を棄てし友も
あのころは共に書(ふみ)読み
共にあそびき

<私が考えた歌の意味>
後年、私との関係を絶ってしまった友人だった。
だが、あのころは共に本を読み、語り合った。
共に、あそびもした。
今思い出すと懐かしい気がする。

<歌の感想>
 友人が自分を棄てたからと悲しむような啄木ではないだろう。むしろ、互いに利害関係を気にせずに交流できたことを、懐かしんでいると感じる。