石川啄木『一握の砂』「煙」 より

不来方(こずかた)のお城のあとの草に臥(ね)て
空に吸はれし
十五の心

<私が考えた歌の意味>
過ぎてしまったあの頃のこと、お城あとの草に寝ころんでいた。
空を見上げていると、その空に吸い込まれてしまった。
私の十五歳の心が。

<歌の感想>
 懐かしさとは違う感覚だ。十五の頃が幸福だったというのとも違う。あの頃は疲労感や倦怠感に汚れてはいなかったという思いに浸っている啄木を感じる。