与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より

春雨にぬれて君来し草の門(かど)よおもはれ顔の海棠の夕

<私が考えた歌の意味>
春雨に濡れて、あなたが、小さな家の門をくぐて来てくれた。
夕べの門の内には、海棠の花が咲いている。
海棠の花は、思われていることを知っている女性のような姿で咲いている。

<歌の感想>
 なんともたくさんのことが詠み込まれている。しかも、珍しく作者自身のことは、それほど表出されていない。晶子の作の中では、客観的に「海棠」を描いていると思う。
 チョコレート語訳 みだれ髪 俵万智 では、「おもはれ顔」をうまく訳している。「春雨に濡れてあなたが来る夕べぽっと恥じらう海棠の花」