万葉集 巻二 185 日並皇子尊(草壁皇子)の宮の舎人たちが泣き悲しんで作った歌二十三首(171~193の内から)
水伝ふ 磯の浦廻の 石つつじ もく咲く道を またも見むかも
みなつたう いそのうらみの いわつつじ もくさくみちを またもみんかも

<私が考えた歌の意味>
池の周りのつつじがいっぱいに咲いている。
このつつじの咲く庭園の道をまた歩くことがあるだろうか。

<私の想像を加えた歌の意味>
池は水をたたえ、池の周りにはつつじが今を盛りと咲いている。
皇子様が、生きておられた時に変わらない美しさだ。
だが、この花の咲く庭園を見ることはもうないであろう。
皇子様亡きあとは、全てが失われていく。

<歌の感想>
 初句と二句目の意味は、はっきりとは分からない。しかし、好きな短歌だ。詞書がなければ理解はむずかしいが、詞書がはっきりとしているので、歌の趣意は伝わる。
 亡き皇子のことも、現代風に言うと職を失うかもしれない自分のことも直接は描かれてはいない。だが、皇子の死を悲しむ気持ちと、これからの自分の身を案ずる気持ちがよく表れている。