石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より ※以前の記事を改めた。  

東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる

<私が考えた歌の意味>
東方の小島に来た。
磯の砂浜の砂は白い。
私の涙はとどまることがない。
涙にくれながら磯の蟹とたわむれる。

<私の想像を加えた歌の意味>
ここは人もほとんど来ない東海の小島。
磯があり、浜があり、砂浜が白い。
ここにいるのは、私だけ。
磯の蟹と私は遊ぶ。
心は、泣き、涙に濡れそぼっている。
泣きぬれて私は、磯の蟹と遊んでいる。

<歌の感想>
 文字も音調も美しい。情景も心情も伝わって来る。
 啄木は、短歌の中の「われ」を見つめ、描いているようだ。そういう意味で、「我を愛する歌」は、この作品にぴったりだと思う。
 私は、この有名な一首を好きになれない。美しく、情感の表現も見事だと思うのだが、短歌の世界として完結してしまっているような気がする。