万葉集 巻二 174 175 176 日並皇子尊(草壁皇子)の宮の舎人たちが泣き悲しんで作った歌二十三首(171~193の内から)

174
外に見し 真弓の岡も 君ませば 常つ御門と 侍宿するかも
よそにみし まゆみのおかも きみませば とこつみかどと とのいするかも

175
夢にだに 見ざりしものを おほほしく 宮出するかさ 檜隅廻を
ゆめにだに みざりしものを おほほしく みやでするかさ ひのくまみを

176
天地と 共に終へむと 思ひつつ 仕へまつりし 心違ひぬ
あめつちと ともにおえんと おもいつつ つかえまつりし こころたがいぬ

<私の想像を加えた歌の意味>
174
今まではなんということもなかった真弓の岡でした。
今は、私がお仕えしておりました日の皇子様が埋葬されている御所です。
これからは、いつまでも変わることなく、宿直しお守りしていく真弓の岡です。

175
日の皇子様が埋葬された宮へ出仕します。
こうなることは夢にも思いませんでした。
皇子様の埋葬されている宮への道を、鬱々として向かいます。

176
いつまでもいつまでもお仕えしていくつもりでした。
天皇となられるに違いない皇子様にお仕えしていくつもりでした。
そんな思いは、まったく違ってしまいました。