石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

くだらない小説を書きてよろこべる
男憐れなり
初秋の風

<私が考えた歌の意味>
くだらない小説なのに、本人は傑作が書けたと喜んでいる。
その男が憐れだ。
憐れさを増すかのごとく初秋の風が吹く。

<歌の感想>
 啄木は、くだらないと思う友人へは、攻撃や軽蔑の眼を向けていた。それなのに、この作品では「憐れ」と感じている。周囲の友人に、啄木が今まで以上の距離を感じているように受け取れる。