石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

わが抱(いだ)く思想はすべて
金なきに因(いん)するごとし
秋の風吹く

<私が考えた歌の意味>
私がもつ思想は、すべて私に金がないことが出発点になっているようだ。
そう思い至った時、秋風の吹くのを感じた。

<歌の感想>
 この歌集の今までの作品の内で、最も虚無感を漂わせていると感じる。裏を返せば、金さえあれば、自分の思想はすべて変わってしまうということになる。