以前の記事を一部改めた。
万葉集 巻二 163 164 大津皇子が亡くなった後に、大伯皇女が伊勢の斎宮から上京した時に作られた歌二首

163
神風の 伊勢の国にも あらましを なにしか来けむ 君もあらなくに
かんかぜの いせのくににも あらましを なにしかきけん きみもあらなくに

164
見まく欲り 我がする君も あらなくに なにしか来けむ 馬疲るるに
みまくほり あがするきみも あらなくに なにしかきけん うまつかるるに

<私の想像を加えた歌の意味>
163
伊勢の国にいればよかった。
あの方はもういないのに、どうしてここに来てしまったのだろう。

164
一目だけでも会いたいと思う君はもういません。
いったい何をしにここまで来たのでしょう。
道中の馬を疲れさせるだけなのに。

<私の想像を加えた歌の意味>
163
あの方が亡くなられたと聞き、伊勢から出かけて来ました。
でも、いざ来てみても、あの方にお会いすることはできません。
亡くなったと分かっていても、会えないと分かっていても、あの方のおいでになった場所に来ずにはいられません。

164
この旅は、馬を疲れさせるだけの虚しいものです。
一目顔を見たいと思う君は、この世にはいらっしゃらない。
もう決して会うことがないのに、どうして来てしまったのでしょう。

<歌の感想>似ている二首ではあるが、どちらも作者の思いが伝わってくる。