石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

夜明けまであそびてくらす場所が欲し
家をおもへば
こころ冷たし

<私の想像を加えた歌の意味>
明日のことなど考えずに、一晩中遊んでいられる場所が欲しい。
帰らねばならない家のこと、養わねばならない家族のことを思わないでいられる場所がないものか。
そんな所があるはずもない。
だが、帰るしかない家を思うと心が冷たくなる。