万葉集 巻二 143 144 長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ)が結び松を見て悲しみ咽(むせ)んで作った歌二首
143
岩代の 崖の松が枝 結びけむ 人はかへりて また見けむかも
いわしろの きしのまつがえ むすびけん ひとはかえりて またみけんかも
144
岩代の 野中に立てる 結び松 心も解けず 古思ほゆ
いわしろの のなかにたてる むすびまつ こころもとけず いにしえおもおゆ
<私が考えた歌の意味>
143
あのお方が、岩代の崖の松の枝を結ばれた。
そのお方は、お戻りになってご自分が結ばれた松の枝を見たであろうか。
144
岩代の野中には、あのお方が結ばれたという松が立っている。
その結び目が解けないように、私の心も昔のことに結びつけられて、昔のことばかりが思われる。
143
岩代の 崖の松が枝 結びけむ 人はかへりて また見けむかも
いわしろの きしのまつがえ むすびけん ひとはかえりて またみけんかも
144
岩代の 野中に立てる 結び松 心も解けず 古思ほゆ
いわしろの のなかにたてる むすびまつ こころもとけず いにしえおもおゆ
<私が考えた歌の意味>
143
あのお方が、岩代の崖の松の枝を結ばれた。
そのお方は、お戻りになってご自分が結ばれた松の枝を見たであろうか。
144
岩代の野中には、あのお方が結ばれたという松が立っている。
その結び目が解けないように、私の心も昔のことに結びつけられて、昔のことばかりが思われる。