万葉集 巻二 129 大津皇子の宮の侍女だった石川郎女が、大伴宿祢宿奈麻呂(おおとものすくねすくなまろ)に贈った歌一首
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古りにし 嫗にしてや かくばかり 恋に沈まむ 手童のごと
ふりにし おみなにしてや かくばかり こいにしずまん たわらわのごと

<私が考えた歌の意味>
年老いた婆さんなのにと思うのですが、恋してしまいました。
まるで、子どもが夢中になるように、この年であなたへの恋に溺れています。

<歌の感想>
 現代とは、年齢の違いや社会通念の違いがあるだろうと思いつつも、案外それほどの違いはないのかとも思う。もう過去のことかもしれないが、平成に入ってからでも、五十歳代の女性が十歳以上年下の男性に恋したなら、ちょっとした話題になった。
 当時の平均寿命などを考えれば、年齢は現代よりは若いであろうが、年上の女性の年下の男性への恋心という点では、現代と共通する感情があるように思う。