万葉集 巻二 110 日並皇子尊が石川郎女(大名児)に贈り与えられた御歌一首

大名児を 彼方野辺に 刈る草の 束の間も われ忘れめや
おおなこを おちかたのへに かるくさの つかのあいだも われわすれめや

<私が考えた歌の意味>
野で刈る草の一束はほんのわずかだ。
その一束ほどの短い間も私は忘れることはない。
大名児よ、おまえのことを。

<歌の感想>
 107~108と関連する作のようだ。日本古典文学全集 萬葉集 小学館には、次のように解説があるので、引用する。

自分を捨てて異母弟大津皇子に逢う石川郎女を引き留めようとして詠んだ歌。

 歌の背景として、こういう事情が周囲にも明らかになっているとしたなら、「相聞」の歌が描くものはずいぶんと幅の広い内容を含むものと思う。