石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

或る時のわれのこころを
焼きたての
麺麭(ぱん)に似たりと思ひけるかな

<私の想像を加えた歌の意味>
焼きたてのパンの香ばしい香りがする。
焼きたてのパンの手触りはふっくらとしている。
ある朝の私の心は、焼きたてのパンのようだった。
そんなふうに、自分の心を新鮮なものに感じる日もあったのだ。
だが、いつもの私の心はそうではない。