万葉集 巻三 263 近江国から都に上って来た時に、刑部麻呂の作った歌一首
馬ないたく 打ちてな行きそ 日並べて 見ても我が行く 志賀にあらなくに
うまないたく うちてないきそ ひならべて みてもあがいく しがにあらなくに
<思い浮かぶ作者の気持ち>
オイオイ、そんなに馬に鞭を入れるものじゃないよ。ここは、景色のよい志賀ではないか。ほんとうなら、志賀に一泊も二泊もして、ゆっくりとこの地を見て行きたいが、それは許されそうにないので、せめて、ゆっくりと馬を進めようではないか。
<歌に思うこと>
旅に出ると、二種類の人がいると思う。観光旅行であっても、とにかく目的地優先で、途中の場所にはほとんど目もくれない人。他方、目的地や、名所にはあまり拘らず、旅そのものを楽しむ人。この二種の人は、互いを理解することは無理であろう。もちろん、この作者は、後者である。
馬ないたく 打ちてな行きそ 日並べて 見ても我が行く 志賀にあらなくに
うまないたく うちてないきそ ひならべて みてもあがいく しがにあらなくに
<思い浮かぶ作者の気持ち>
オイオイ、そんなに馬に鞭を入れるものじゃないよ。ここは、景色のよい志賀ではないか。ほんとうなら、志賀に一泊も二泊もして、ゆっくりとこの地を見て行きたいが、それは許されそうにないので、せめて、ゆっくりと馬を進めようではないか。
<歌に思うこと>
旅に出ると、二種類の人がいると思う。観光旅行であっても、とにかく目的地優先で、途中の場所にはほとんど目もくれない人。他方、目的地や、名所にはあまり拘らず、旅そのものを楽しむ人。この二種の人は、互いを理解することは無理であろう。もちろん、この作者は、後者である。