万葉集のかたわらにキーボード

記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

2016年10月

 万葉集をどう訓み下すかは、専門的になり、私にはわからない。 そこで、手元にある本で、巻一 15の訓み下し文と、口語訳の違いをみておく。新日本古典文学大系 萬葉集 岩波書店わたつみの豊旗雲に入日さし今夜の月夜さやけかりこそ大海原にたなびく見事な旗雲に夕日が…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より鏡屋の前に来てふと驚きぬみすぼらしげに歩(あゆ)むものかも<私の想像を加えた歌の意味>ずいぶんとみすぼらしい奴が歩いてきたなあ。あっ、あれは鏡に映った俺だ。<歌の感想> こういう経験をする人は多い。しかし、短歌と…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より怒(いか)る時かならずひとつ鉢を割り九百九十九(くひゃくくじふく)割りて死なまし<私が考えた歌の意味>怒れ。怒れ。一度怒る度に鉢を一個思い切り割ってやる。死ぬまでには、九百九十九は割ってやろう。<歌の感想> 怒る…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より何処(どこ)やらに沢山の人があらそひて鬮(くじ)引くごとしわれも引きたし<私が考えた歌の意味>どこかで騒々しく沢山の人々が争っているようだ。どうも、宝くじをやっているらしい。当選すれば大金をもらえるというそのくじ…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より高山(たかやま)のいただきに登りなにがなしに帽子をふりて下(くだ)り来(き)しかな<私が考えた歌の意味>山の頂上まで登って来た。なんということもなく帽子を振ってみた。そして、山を下った。<歌の感想> 行動だけが表…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりふと深き怖(おそ)れを覚えぢつとしてやがて静かに臍(ほぞ)をまさぐる<私の想像を加えた歌の意味>理由は分からない。深い恐怖を感じた。どうしようもなくなって、ただじっとしていた。何事も起こらない。怖れの原因もわから…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりまれにあるこの平(たひら)なる心には時計の鳴るもおもしろく聴く<私の想像を加えた歌の意味>不思議だ。毎日聞く柱時計の時の音がいつもと違っている。なんだかおもしろい音だ。なんだかゆかいな音だ。こういうことがごくたま…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より大木(たいぼく)の幹に耳あて小半日(こはんにち)堅き皮をばむしりてありき<私の想像を加えた歌の意味>大木を見上げる。大木に触ってみる。大木の幹に耳を当ててみる。何も聞こえない。いや、かすかにかすかに何か聞こえる。…
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万葉集 巻一 15わたつみの 豊旗雲に 入日さし 今夜の月夜 さやけかりこそわたつみの とよはたくもに いりひさし こよいのつくよ さやけかりこそ<私の想像を加えた歌の意味>見渡す海の空には、雲がはためくように広がっている。そののびのびと広がる雲を、海に沈…
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万葉集 巻一 14香具山と 耳梨山と あひし時 立ちて見に来し 印南国原かぐやまと みみなしやまと あいしとき たちてみにこし いなみくにはら<私の想像を加えた歌の意味>香具山と耳梨山が、互いに畝傍山を妻にしたいと争った時に、この争いを止めさせるために大神…
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万葉集 巻一 13香具山は 畝傍を惜しと 耳梨と 相争ひきかぐやまは うねびをおしと みみなしと あいあらそいき神代より かくにあるらし 古も 然にあれこそかみよより かくにあるらし いにしえも しかにあれこそうつせみも 妻を 争ふらしきうつせみも つまを…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より森の奥より銃声聞こゆあはれあはれ自(みづか)ら死ぬる音のよろしさ<私が考えた歌の意味>遠く森の奥から銃声がした。なんとも悲しむべき音だ。あれは自殺の銃声か。あの悲しい音に今の私は心ひかれる。…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりわが髭(ひげ)の下向く癖がいきどほろしこのごろ憎き男(をとこ)に似たれば<私の想像を加えた歌の意味>ひげを整えようと鏡を見る。どうして俺のひげは下を向いてしまうんだろう。どうそろえても、ひねりあげてもだらしなく下…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より草に臥(ね)ておもふことなしわが額(ぬか)に糞(ふん)して鳥は空に遊べり<私の想像を加えた歌の意味>気持ちのいい天気だなあ。芝生に寝転んで何も考えずにいられる。晴れた空に雲が浮かんでいる。こんな穏やかな気持ちにな…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりなみだなみだ不思議なるかなそれをもて洗へば心戯(おどけ)たくなれり<私が考えた歌の意味>なみだは不思議だ。泣いて泣いて、なみだなみだの時を過ごす。そうするうちに、なみだが心を洗うので、おどけたい気持ちになってきた…
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より鏡とり能(あた)ふかぎりのさまざまの顔をしてみぬ泣き飽きし時<私の想像を加えた歌の意味>鏡に向かっていろいろな顔をしてみる。泣き顔、ほほ笑む顔、笑い顔、怒った顔、まじめな顔、ゆがめた顔、そしてまた泣き顔。いつもい…
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