万葉集 巻二 
91 天皇が鏡王女(かがみおおきみ)に与えられた御歌一首

妹が家も 継ぎて見ましを 大和なる 大島の嶺に 家もあらましを
いもがいえも つぎてみましを やまとなる おおしまのねに いえもあらましを

92 鏡王女(かがみおおきみ)がそれに答えた御歌一首

秋山の 木の下隠り 行く水の 我こそ益さめ 思ほすよりは
あきやまの このしたがくり ゆくみずの われこそまさめ おもおすよりは

<私が考えた歌の意味>
91
あなたの家をいつも見ていたい。
大和の大島の嶺にあなたの家があったなら、いつでも見ることができるのに。

92
秋の山の木の下を隠れるように水が流れます。
私の思いは、その水のように、あなたが思ってくださるよりも強いのです。

<私の想像を加えた歌の意味>
91
あなたの家がいつでも見えているとよいのに。
大和の大島の嶺にあなたの家があればよいのに。
私が見ようとすれば、いつでも見ることができるのに。
たとえ、すぐに行くことはできなくても、家を見ることができるのに。

92
秋の山の木の下を流れる水は、木の葉に覆われています。
表には見えませんが、隠れるように流れる水の勢いはとても強いのです。
あなたは、私の家をいつも見ていたい、とおっしゃるけれど。
私の思いは、それに勝っています。
表に見えずに流れる水のように、目立たつことはありませんが、いつも思い続けています。