西行 山家集 上巻 春 44 7025

なにとなく のきなつかしき 梅ゆゑに 住みけん人の 心をぞ知る
なにとなく のきなつかしき むめゆえに すみけんひとの こころをぞしる

<私が考えた歌の意味>
軒の梅の香りがしてきた。
香りとともに、なんとなく昔のことが思い出される。
昔、ここに住んでいた人の心が伝わってくる。

<私の想像を加えた歌の意味>
この家の軒の梅の香りは、なんということもないが、昔のことを思い出させる。
昔、ここに住んでいた方も、梅の香りで春を感じていたのだろう。
住む人が変わっても、この家に住む人の心は変わらず、梅の香りを味わっている。

<歌の感想>
 「なにとなくのきなつかしき」は、とらえどころない感覚だ。梅の花を見ているのではないし、梅の香を嗅いでいるだけでもない。家の中にいて、微かな香りになにかを思っている。この家の風情が西行にはしっくりとくるのだろう。
 とらえどころないの微妙な感じだが、それが伝わってくるところが不思議でもある。