万葉集 巻二 90

君が行き 日長くなりぬ やまたづの 迎へを行かむ 待つには待たじ
きみがゆき けながくなりぬ やまたずの むかえをゆかん まつにはまたじ

<私が考えた歌の意味>
あなたが行ってしまってから長い日にちが経ちました。
迎えに行こうと思います。
このままただ待つだけには耐えられません。

<私の想像を加えた歌の意味>
あなたが旅立たれてから、長い日にちが過ぎました。
お待ちしておれば、お戻りになると思っておりました。
でも、待つだけでなく、こちらからお会いするために出かけましょう。
このままでは、いつまでも一緒になることはかなわないでしょうから。

<歌の感想>
 詞書と左注から様々な場合が考えられる。どの場合を考えればよいか、判断がつかない。
 この短歌が題材としていることは、一人の女性の思いである。しかし、似た短歌86もあり、必ずしも詞書にある衣通王(軽太郎女)個人の作と考えなくともよいと思う。
 詞書や左注については、詮索せずに短歌の表現のみに注目した。