万葉集 巻一 82

うらさぶる 心さまねし ひさかたの 天のしぐれの 流れあふ見れば
うらさぶる こころさまねし ひさかたの あめのしぐれの ながれあうみれば

<私が考えた歌の意味>
さびしい思いで心が溢れそうになる。
しぐれの降るのを見ていると。
しぐれは、高い空から交差し流れるように降って来る。

<私の想像を加えた歌の意味>
しぐれが降りそそぐ。
高い空から、雨がいくすじもの流れとなって、降ってくる。
見上げる顔に、冷たいしぐれが当たり、心はどんどん淋しくなる。

<歌の感想>
 情景と心情を考えれば、時雨の空を眺めると心はうら淋しくなる、となろう。しかし、そのような抒情的なものは感じられない。激しく降りそそぐしぐれ、その雨に戸外で打たれている情景が浮かんでくる。